急変対応の場面において、迅速評価、一次評価、二次評価というような蘇生へ向けた対応があります。新人看護師も重要項目としてたくさん学んできたことでしょう。そのなかで「キラーシンプトム」という言葉を何度となく耳にしたのではないでしょうか。この言葉の意味を知るとともに、迅速評価の段階で見極める方法なども改めておさらいしましょう。
キラーシンプトムは、「急変に結び付く危険な兆候」を指します。ちなみに急変とは、さまざまな定義づけがありますが、広義としては突然発症する意識障害のほか呼吸停止や心停止など患者が前触れもなく突然に生命の危機に陥った状況を意味します。このほかにも、ぜんそくの発作や、アナフィラキシーショック、けいれん発作の発症も同様に急変と位置づけることができます。まとめると、早急な治療が求められる状況を急変といえるでしょう。キラーシンプトムは、「早急な治療が求められる状況につながる、危険な兆候」と言い換えられます。
「危険な兆候」とは、肩で息をしている、唇をすぼめるような呼吸、というように急変と呼ばれる状態に陥る6~8時間ほど前に見られる状態を指します。ラウンドの際に認められる異変があれば、看護師で情報を共有するなど未然に急変への移行を防ぐ対処もできます。しかし、急変は文字通り「急激な変化」を指します。看護師が事前に兆候をキャッチできないケースもあります。急変時の迅速評価でキラーシンプトムが起こっていないかを確認し、一次評価や二次評価へつなげることが大切です。